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笹島 栄夫; 杉山 智之; 中村 武彦; 更田 豊志; 上塚 寛
Proceedings of 7th International Topical Meeting on Research Reactor Fuel Management (ENS RRFM2003), p.109 - 113, 2003/03
TRIGA炉燃料として世界的に使用されているウラン水素化物ジルコニウム燃料(U-ZrHx)について、事故条件下での燃料挙動データを得ることを目的とし、NSRR実験を行った。これまでに5回のパルス実験をピーク燃料エンタルピ187483J/gの範囲で実施した。483J/gの実験で被覆管表面最高温度は約840Kに達した。被覆管表面温度は、パルス出力とともに急激に高くなり、187J/g以上の実験でDNBが生じた。DNBは、UO燃料棒を用いたNSRR実験と比べ、より低い燃料エンタルピで生じていた。燃料棒内圧は最高1MPaまで上昇した。これは、燃料から解離した水素の放出を示唆している。予備解析によると、480J/gの燃料エンタルピで、平均温度は約1300Kであり、過渡加熱条件での水素の解離圧は平衡圧に比べ十分小さい結果となった。U-ZrHx燃料ではペレットと被覆管のギャップが小さいため、比較的低いエンタルピからペレット/被覆管機械的相互作用による被覆管変形が生じ、過渡変形が最高約3%に達した。試験燃料棒は、これまでの実験範囲では破損は生じず、また337J/g以下の実験では、燃料溶融及びマイクロクラックの発生等の燃料ペレットミクロ組織の変化は観察されていない。
W.S.Charlton*; T.A.Parish*; S.Raman*; 篠原 伸夫; 安藤 真樹
PHYSOR 96: Int. Conf. on the Physics of Reactors, 3, p.F11 - F20, 1996/00
これまで、原研ORNLアクチノイド研究契約に基づきマイナーアクチノイドの即発中性子放出率及び遅発中性子放出率などが測定されてきた。本研究の目的は、マイナーアクチノイドの高速中性子核分裂による遅発中性子放出率を測定することである。実験は、テキサスA&M大学研究炉(トリガ燃料プール型熱中性子炉)において行われた。炉内にBCで周囲を囲んだ高速中性子場を設けアクチノイド試料を中性子照射した。遅発中性子放出率を測定する核種は、U-235,Np-237,Am-241,Am-243である。これらアクチノイド試料は、厚さ1mm、外径5mm、重量10mgである。照射後試料から放出される遅発中性子を計数し、各群毎の遅発中性子放出率及び半減期を測定した。U-235、Np-237試料の遅発中性子収率はこれまでの測定データと良い一致を示した。
更田 豊志; 石島 清見; 丹澤 貞光; 中村 武彦; 笹島 栄夫; 加島 洋一; 豊川 俊次; 小林 晋昇
JAERI-Research 95-005, 53 Pages, 1995/01
現在NSRRでは、TRIGA炉用燃料として世界的に使用されている、ウラン水素化ジルコニウム燃料のパルス照射実験を計画している。本報告書は、ウラン水素化ジルコニウム燃料の特性についてまとめるとともに、NSRRにおけるパルス照射時の発熱量及び燃料温度の解析結果、実験用カプセル設計に必要となる燃料破損時の衝撃圧力及び水撃力の予測最大値の評価結果を示したものである。NSRRにおいて燃料溶融に至る範囲までの実験が可能であることを示すとともに、被覆管の低温破裂、放出水素の膨張仕事及び燃料/冷却材相互作用などを考慮した検討を行い、衝撃圧力及び水撃力の予測最大値を定めた。NSRR実験によって得られる知見は、TRIGA炉の性能向上に大きく寄与するとともに、安全評価のデータベースを拡充し、次世代型TRIGA炉の開発・安全評価に大きく資するものと期待される。
神永 雅紀
JAERI-M 94-052, 40 Pages, 1994/03
本報告書は、研究炉の定常熱水力解析コードCOOLOD-N2について述べたものである。本コードは、板状燃料を使用する研究炉の定常熱水力解析コードCOOLOD-Nの改良版であり、棒状燃料を使用した研究炉の解析が行えるように棒状燃料の温度計算サブルーチンを新たにCOOLOD-Nに組み込んだものである。COOLOD-N2は、強制循環冷却及び自然循環冷却のいずれの場合にも適用可能である。本コードにおいてもCOOLOD-Nと同様に板状燃料を用いた研究炉用に開発された熱伝達相関式、DNB熱流束相関式等からなる「熱伝達パッケージ」が組み込まれているが、棒状燃料のDNB熱流束計算では、熱伝達パッケージの他にTRIGA炉の解析で用いられているLundの相関式による値も合せて計算する。本コードは、JRR-4改造プロジェクトの中でJRR-4 TRIGA炉心の定常熱水力解析を実施するために開発したものである。
柳澤 和章; 宇賀神 光弘; 桜井 文雄*
核燃料工学; 現状と展望, p.285 - 304, 1993/11
日本原子力学会「極限燃料技術」研究専門委員会は、平成元年度から4年度までの調査研究活動を「核燃料工学-現状と展望-」にとりまとめた。この報告書中の第7章は、「研究炉燃料の開発状況」であり、その内容は、7.1高ウラン密度燃料の開発(桜井),7.2燃料の特性と製造(宇賀神、柳澤),7.3照射下ふるまい(宇賀神、桜井、柳澤)となっており、発表者らが共著でとりまとめた。この章に於いては、我が国のデータのみならず欧・米における研究炉燃料の開発状況が、実験的知見に基づいて平易に記述されている。また取扱いの事象も通常運転から事故と多岐に亘っている。